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はじめに このタイトルから言って”うーん、赤ちゃんのときから、「法律」とかかわりがあるなんて・・・。
現代社会のストレスと向き合うのは、もう少しオトナになってからでも良いのでは?”
と思われたかたもいらっしゃるかもしれません。
なにをかくそうこの私も、のんびりと育ったクチですから、
今どきの赤ちゃんも、のびのびと育っていっていただきたいのはヤマヤマです。
しかしながら、赤ちゃんが1人生まれると、法律上の権利の主体が、
1つ生まれることになるのです。
民法第1条の3では「私権ノ享有ハ出生二始マル」となっています。
もっとも、赤ちゃんが”ものごころ”つくまでは、
それこそ簡単な買い物すらできないわけで、
法律行為はお父さんやお母さんといった「親権者」が代理してすることになることでしょう。
胎児の権利 ところで、赤ちゃんがお母さんのおなかに居るときにも、「法律」とのかかわりがあるのです。
お母さんのおなかに居る赤ちゃん(「胎児」と呼んでいます。)に権利を認める場合として、民法には、
- 不法行為に基づく損害賠償請求権(民法第721条)
- 相続権(民法第886条)
- 遺贈(いぞう。遺言をもって贈与すること。)を受ける権利(民法第965条で2が準用(「準用」とは、「準じて用いる」の
意味です。マンマやな〜。))
の3つの規定が置かれています。
1の例としては、胎児の状態の時に、お父さんが交通事故に遭い、亡くなってしまった場合が考えられます。
この場合、その赤ちゃんは固有の慰謝料請求権を持つことになると考えられます。(cf.民法第711条)
2の例としては、胎児の状態のときに、お父さんが亡くなってしまった場合が典型的です。
代襲相続(例:おじいさんやおばあさんが亡くなる以前にお父さんが亡くなってしまったような場合)のケースも考えられないこともないでしょう。
3は、胎児の状態の赤ちゃんに財産をゆずるという、遺言もアリだということを示しています。
ちなみに、胎児と養子縁組することはデキマセン!。
赤ちゃんが無事に生まれたときから、その「法定代理人(一般的にはお父さんやお母さん)」の承諾
(この承諾のことを「代諾」なんて言っています。)で養子縁組できるようになります(民法第797条)。
ただし、家庭裁判所の許可を受けなければならない場合があります(民法第798条)。
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相続税法の観点では、「相続人は無償(タダ)かつ無条件で、財産を承継するので、当然相続税の納税義務者となり、
申告や(税金の)納付をしなければならない。」とされています。
申告・納付には、出生が条件ですから、相続税の申告期限までに赤ちゃんが無事出生した場合には、
相続人として取り扱うことになっています。現行法では、相続税の申告期限が、
相続の開始を知った日の翌日から10か月以内となっていますから、赤ちゃんは、原則的には、
相続税の申告期限までに誕生していることになりますね。もし、相続税の申告期限までに生まれないときは、
その胎児はないものとして計算、申告しなければなりません。そして、その後に赤ちゃんが生まれたときには、
更正の請求により、改めて相続税の計算をやりなおすことになります。
(この部分は、ある税理士の監修(添削)を仰ぎました。)
その他、遺族年金や労災の場合に胎児が権利を得る場合もありますが、これらについての説明は、別の機会とさせていただきます。
胎児の認知 その他、民法で胎児に関する規定としては、「認知」の場合があります。
「認知」とは、お父さんが、”確かに、この子は自分の子です。”と認める法律上の行為
のことです。「父は、胎内に在る子でも、これを認知することができる。この場合には、
母の承諾を得なければならない。」と定められています(民法第782条第1項)。
出生届 出生の届け出は、赤ちゃんが生まれて14日以内(海外で生まれたときは、3
か月以内)にしなければなりません(戸籍法第49条第1項)。
特別養子縁組 「特別養子縁組」とは、実のお父さんやお母さんとの親族関係(「縁、えん」)
が切れてしまう養子縁組のことです(民法第817条の2及び9)。
実のお父さんやお母さんが、子供の面倒を見ることが、とてもむつかしい場合やふさわしくない場合、
もしくは特別の事情がある場合に、家庭裁判所の審判によって養子縁組を成立させるものです(民法第817条の7)。
子供を保護するために、昭和62年に追加になった法律です。
その要件(決まり)としましては、
・養親になる者は、夫婦ともども養親になります(片方の実の子の場合の例外あり)(民法第817条の3)。
・養親の最低どちらか一方は、25歳以上です(民法第817条の4)。
・養子は6歳末満(例外的に8歳末満でもOKの場合あり)です(民法第817条の5)。
・実のお父さんやお母さんの同意が必要です(暴力による虐待や、放ったらかし、
もしくは子供の利益にならないようなことがあるときは、同意はいりません。
こちらのケースのほうが多いのではないでしょうか?)(民法第817条の6)。
・家庭裁判所は、養親が子供を6か月以上面倒を見た状況を考慮して審判を出します(民法第817条の9)。
・原則的に特別養子と養親は「離縁」できません(民法第817条の10)。
といったものがあり、 たいへん厳しいものとなっています。
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この原稿を書かさせていただいている小林は、実際に縁組の当事者になったことがある訳でもありませんので、
その当事者のかたがたのお気持ちまで理解することは不可能ではあります。しかしながら、
「こういった制度があります。」ということをご提示、ご提案もしくはおすすめすることは可能です。
いつの日か、お役に立てることが、あるかもしれません。
おわりに 昨今、日本国内全国各地で赤ちゃんや幼児・児童を巻き込んだ殺人、暴力、虐待、誘拐、
などの残酷、冷酷無比、凶悪かつおぞましい犯罪事件が多発し、
連日テレビや新聞等のマス・メディアをにぎわしております。痛ましいことです。
この国に生まれてきた赤ちゃんが、’夢’を持って人生を歩むことができ、
成長されてふり返ったときに、「日本に生まれてよかったな−」
と思えるような社会をつくるために何ができるのかを、考え続けていきたいと思います。
司法事士の小林1人では、できることは極小かと思いますが、
ほんの少しでも、そんな社会づくりのお手伝いができればと存じております。
長文駄文におつき合い下さり、お読みいただきまして、ありがとうございました。
平成16年の吉日
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